創作家のつぼみ
漫画家を目指すある女のブログ。 最近はもっぱら漫画制作日記と萌えの掃き溜め。好きなことを好きなように語っています。
消えた思い出~目覚め~
あなたは闇が悪だと思いますか
暗闇の中に見えた光が 希望であると言い切れますか
暗闇の中に見えた光が 希望であると言い切れますか
一、
この世界にも朝は来る。
人間の住む地より、いくらか光は弱く、空は暗いけれど。
広大な土地の中にポツリと佇む一軒の邸(やしき)に、彼等は住んでいた。
台所では既に朝食の仕度が終わりを迎えようとしている。
廊下から聞こえてくる足音が大分近付いたのに気付き、墨谷は振り返った。
「おはようございます」
「んー・・・おはよう・・・・・・。珍しいな。お前の方が先に起きているなんて」
まだ目覚めたばかりの成仁は、眠い目を擦りながらそう言った。
「昨日は仕事が終わらなくて眠れなかったんです」
「ふーん・・・。ご苦労様」
彼等の会話は、大体このくらいで終わってしまう。そして、今日も例外ではなかった。
墨谷は、名前を悟という。しかし本人がこの名前をあまり良く思っていない様なので、人は誰も「墨谷」としか呼ばない。
彼は一見すると二十歳くらいで、やわらかな色の茶髪に青灰色の瞳を持った青年だ。
無口で常に無表情、しかし与えられた仕事はきちんとこなす真面目な真面目な人物であった。
一方明るい髪に日本人らしい黒の強い瞳を持つ、15歳前後ほどに見えるこの少年。名を成仁という。
苗字は無い。とうの昔に捨てたのだ。
性格は自由奔放、面白いことと甘い物が好きで、白い肌に長い睫毛と女かと見紛う容姿をしている。
肩ほどもある長い髪のせいもあるだろうが、それは本人が面白がって伸ばしているのだ。
この世界で数少ない人間の一人である。
否、“元”人間と言った方が正しいかもしれない。
なぜなら彼等は、この邸でおよそ60年という月日を過ごしているのだから・・・・・・。
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龍海(Ryukai)
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自己紹介:
成人済みの絵描き、漫画描き(趣味)。
絵で食べていくことを夢見ている山羊座O型。
好きなものは漫画と猫と堂本光一。
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